「ザ・ハリケーン」
2002年5月20日『ザ・ハリケーン』
[The Hurricane]
1999年【米】 監督 :ノーマン・ジュイソン
男優 :デンゼル・ワシントン
:ジョン・ハナ
<ストーリー>
冤罪で終身刑となったボクサー、ルービン・“ハリケーン”(リングネーム)・カーターの実話をもとに描かれている。冤罪で少年院に入れられ、どん底から這いあがり最強のボクサーとして君臨したルービン。だが、またしても同じ黒人差別主義の刑事の謀略により、今度は殺人罪の濡れ衣を着せられる。偶然一緒にいた何の罪もない黒人青年も終身刑に・・。獄中のルービンは、狂いそうになる自分と闘いながら、無実を証明しようと自伝を書き、奮闘する。
<感想>
60年代のアメリカの裁判のアバウトさ。黒人だから。投獄する理由なんてそれで充分。物証なんて必要ない。陪審員が黒人嫌いなら、有罪。事件の発生から20年たって、80年代に、この真実の物語は急展開を告げる。確かな物証をもって。
人種差別と法廷。「ヒマラヤ杉に降る雪」「アミスタッド」のラストでも、最後の最後に、裁判官に「法律は法律だ」と訴えかけるシーンがあったと思う。
人種ではないが、「差別」を法廷で争うといえば、「フィラデルフィア」(デンゼル・ワシントンでしたね、弁護士役で)もそうだ。偏見をなくせとは言ってない、
法律を愛するものなら、正しい裁きを、と。
この映画、これほどの重みを持ちながら、同じ、冤罪で終身刑という設定だった
「ショーシャンクの空に」ほどの感動に届かないのは、脚本の甘さのせいかもしれない。ストーリーは、事実であって、観ている我々は、驚愕し、憤り、ルービンに共感し、祈るような気持ちで最後まで息をのんでみまもる。
が、脚本がもう1歩だ。(1)黒人がわんさといるあの地域で、なぜあの刑事は執拗にルービン1人につきまとう?チャンピオンになり、金と名誉を手にした彼が憎かったか?そこが描ききれていない。(2)ズブの素人(カナダ人たち)にああも
サックリ事件の究明ができるなら、無償で20年近くルービンの弁護士を務めてきたあの2人の弁護士はなんなんだ??やる気があったのかなかったのか、ハッキリしない。(3)刑事側の脅しが中途半端。(このあたりに実話らしさを感じなくもないが)
だが、『運命の出逢い』をこれほど感じさせてくれる「実話」も稀だろう。
偶然が必然に変わることこそが、運命であり、人の心に熱い感動を与えるのだ。
[The Hurricane]
1999年【米】 監督 :ノーマン・ジュイソン
男優 :デンゼル・ワシントン
:ジョン・ハナ
<ストーリー>
冤罪で終身刑となったボクサー、ルービン・“ハリケーン”(リングネーム)・カーターの実話をもとに描かれている。冤罪で少年院に入れられ、どん底から這いあがり最強のボクサーとして君臨したルービン。だが、またしても同じ黒人差別主義の刑事の謀略により、今度は殺人罪の濡れ衣を着せられる。偶然一緒にいた何の罪もない黒人青年も終身刑に・・。獄中のルービンは、狂いそうになる自分と闘いながら、無実を証明しようと自伝を書き、奮闘する。
<感想>
60年代のアメリカの裁判のアバウトさ。黒人だから。投獄する理由なんてそれで充分。物証なんて必要ない。陪審員が黒人嫌いなら、有罪。事件の発生から20年たって、80年代に、この真実の物語は急展開を告げる。確かな物証をもって。
人種差別と法廷。「ヒマラヤ杉に降る雪」「アミスタッド」のラストでも、最後の最後に、裁判官に「法律は法律だ」と訴えかけるシーンがあったと思う。
人種ではないが、「差別」を法廷で争うといえば、「フィラデルフィア」(デンゼル・ワシントンでしたね、弁護士役で)もそうだ。偏見をなくせとは言ってない、
法律を愛するものなら、正しい裁きを、と。
この映画、これほどの重みを持ちながら、同じ、冤罪で終身刑という設定だった
「ショーシャンクの空に」ほどの感動に届かないのは、脚本の甘さのせいかもしれない。ストーリーは、事実であって、観ている我々は、驚愕し、憤り、ルービンに共感し、祈るような気持ちで最後まで息をのんでみまもる。
が、脚本がもう1歩だ。(1)黒人がわんさといるあの地域で、なぜあの刑事は執拗にルービン1人につきまとう?チャンピオンになり、金と名誉を手にした彼が憎かったか?そこが描ききれていない。(2)ズブの素人(カナダ人たち)にああも
サックリ事件の究明ができるなら、無償で20年近くルービンの弁護士を務めてきたあの2人の弁護士はなんなんだ??やる気があったのかなかったのか、ハッキリしない。(3)刑事側の脅しが中途半端。(このあたりに実話らしさを感じなくもないが)
だが、『運命の出逢い』をこれほど感じさせてくれる「実話」も稀だろう。
偶然が必然に変わることこそが、運命であり、人の心に熱い感動を与えるのだ。
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