「山の郵便配達」
2002年6月25日『山の郵便配達』
[Postmen In the Mount Ains]
中国の原題【那山 那人 那狗】
1999年【中】
<ストーリー>
1980年代、中国湖南省の山岳地帯。
足を悪くして郵便配達屋を退職した父に替わり、24歳の息子が仕事を継いだ。今日は初めて、息子が
3日間で120kmを歩いて郵便物を届け受け取ってくる旅に出る日。道案内や人を呼ぶ係の“次郎坊”と云う名の犬と、心配でついてきた父との、3日間の2人と1匹の旅。
<感想>
父親と、息子。仕事が多忙なせいでほとんど家にいなかった父を、父と呼べないまま成長した息子だが、父の仕事の尊さを体で感じ、無意識のうちに「父さん」と声をかける息子。父親の、仕事にかける熱意と責任感に、胸を打たれる。
セリフは少なく、親子が道なき道を、黙々と歩く。
山の自然は圧倒されるほど美しく、90分があっというまだった。
最後の旅路で父の脳裏によぎる、若き日の思い出。
寡黙な父の、深い眼差し。
息子「人はなぜ山に住むの?」
父「仙人の子孫だからさ」
息子「山里に住む人には山しかないんだな」
父「山しかない?違うな。考えるのさ。人は考えることで、生きている」
「誇りをもて。愚痴をこぼすな。」
素朴で、実直な行き方がここにあった。
タイトルロールが終わるまで、新たな郵便物を背負って逞しく歩く、息子と犬の後姿から目が離せなかった。彼らの姿が山道に消えても、なんだかいつまでも見ていたいような映像だった。
ハリウッド映画ではまず味わえない、静かな静かな
感動を求める方に、ぜひ、おすすめしたい。
[Postmen In the Mount Ains]
中国の原題【那山 那人 那狗】
1999年【中】
<ストーリー>
1980年代、中国湖南省の山岳地帯。
足を悪くして郵便配達屋を退職した父に替わり、24歳の息子が仕事を継いだ。今日は初めて、息子が
3日間で120kmを歩いて郵便物を届け受け取ってくる旅に出る日。道案内や人を呼ぶ係の“次郎坊”と云う名の犬と、心配でついてきた父との、3日間の2人と1匹の旅。
<感想>
父親と、息子。仕事が多忙なせいでほとんど家にいなかった父を、父と呼べないまま成長した息子だが、父の仕事の尊さを体で感じ、無意識のうちに「父さん」と声をかける息子。父親の、仕事にかける熱意と責任感に、胸を打たれる。
セリフは少なく、親子が道なき道を、黙々と歩く。
山の自然は圧倒されるほど美しく、90分があっというまだった。
最後の旅路で父の脳裏によぎる、若き日の思い出。
寡黙な父の、深い眼差し。
息子「人はなぜ山に住むの?」
父「仙人の子孫だからさ」
息子「山里に住む人には山しかないんだな」
父「山しかない?違うな。考えるのさ。人は考えることで、生きている」
「誇りをもて。愚痴をこぼすな。」
素朴で、実直な行き方がここにあった。
タイトルロールが終わるまで、新たな郵便物を背負って逞しく歩く、息子と犬の後姿から目が離せなかった。彼らの姿が山道に消えても、なんだかいつまでも見ていたいような映像だった。
ハリウッド映画ではまず味わえない、静かな静かな
感動を求める方に、ぜひ、おすすめしたい。
コメント