『バッファロー’66』 【Buffalo ’66】 1998年・米
監督・脚本・音楽・主演:ヴィンセント・ギャロ
俳優:ヴィンセント・ギャロ
   クリスティーナ・リッチ
   アンジェリカ・ヒューストン
   ベン・ギャザラ
   ケビン・コリーガン
   ロザンナ・アークエット
   ミッキー・ローク
   ジャン=マイケル・ヴィンセント

<ストーリー>
アメフトの掛け金が払えず、代償として別人の罪をかぶって服役していたビリー。やっとこさ出所して、故郷バッファローに帰ることになった。ところが、故郷の両親にはムショ暮らしだったことを隠しており、政府の仕事につき、遠くで恋女房とリッチに暮らしていたというホラ話をでっち上げていた。その上、母親との電話で”恋女房”を連れて帰ることを強要される。思いあまった彼は通りすがりの女レイラを拉致し、両親の前で自分の妻の役を演じるよう脅迫する。初めは怯えていたレイラだが・・・・。

1998年
ナショナルボードオブレビュー賞
最優秀助演女優賞:クリティーナ・リッチ

<感想>

クリスティーナ演じるレイラがしだいにビリーに惹かれていく過程、そして、女性に惚れられたことのないビリーが逆に彼女の
好意にどうしていいかわからず脅える様子が、ほろ苦くも、とても微笑ましい。
愛されたいと願っているのに、あまりにも臆病で、それゆえに乱暴な態度に出てしまう。レイラに触れられただけでビクビクし、頬にキスをされたら驚愕のあまり怒鳴りちらす。
普通の女性なら、愛想を尽かしそうな男だが、レイラには、ビリーのそういうところが魅力なのだ。
ホテルのベッドで、落っこちそうなほど端っこにちんまりと居心地悪そうに横たわるビリーがとても印象的。

あんなに冷たい両親なのに、ビリーはとことん、両親思いだ。
そんなところも、きっとレイラの心を打ったのだろう。
映画の半分以上が、ビリーの実家のシーン。
カット割りと、セリフの応酬が面白い。

臆病さから威張りちらし大声で怒鳴りまくるビリーに、ただひたすら黙って寄り添ってやるレイラ。 母性本能をくすぐるタイプのカワイイ男なのだ。

ラスト近く、緊張が走る。
人生を狂わせた犯人(明らかに逆恨みなのが余計に笑える)との
ご対面だ。
ここは、話してしまってはもったいないので、伏せておく。

臆病さが愛と手に入れ、命拾いの原因になるという展開が、なんとも面白いし、「リアル」だと思うのだ。
勇気こそが、愛や人生を切り開く鍵になるという物語が多いだろうから・・・。

ところで、レイラは珈琲でも紅茶でもなく、ホットココアが好きだ。衣装によって強調される豊かな乳房といい、甘いココアといい、なんとも彼女の母性的な魅力を象徴していて好感がもてた。

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