「ロレンツォのオイル」
2002年10月31日『ロレンツォのオイル/命の詩<うた>』
[Lorenzo’s Oil]
1992年【米】 監督 :ジョージ・ミラー
男優 :ニック・ノルティ
:ピーター・ユスチノフ
女優 :スーザン・サランドン
脚本 :トニー・ピアース・ロバーツ
<ストーリー>
これが、実話だということに衝撃を受ける。
1980年代アメリカ。6歳の少年ロレンツォは、当時はごく稀な難病であったADL(副腎白質ジストロフィー)を発症する。それは、母親から男児にしか遺伝しない、特殊な遺伝病であった。アメリカでも、10年ほど前にやっと病名がついたばかりの不治の病・・・。通常は、壮絶に苦しみぬいたあげくに2年以内に100%死亡する、という恐ろしい病気だった。 両親は、医師にすがりつくが、治療法はないという。息子を救うため、両親の、想像を絶する看病と、治療法の開発のための勉強が始まった・・・。
<感想>
なによりも、両親の子供を思う、盲目的なまでに献身的な愛に言葉を失う。ハイソサエティな夫婦ではあったにしろ、普通の銀行マンと専業主婦だ。
図書館に通いつめ、医師も驚く推論を導き出し、
医師が動かなければ、自力で工場と交渉する。この執念の凄み。観ていて気迫に息が詰まるほどだたった。
そして、医療の現実の難しさ。親は、1%の確率でも、助かるかもしれないのならそれに賭けたい。
医療は、法律と結びついているため、「かもしれない」では動けないところもあるのが現実だ。
そして、採算の問題・・・。稀な難病であればあるほど、研究にさく時間も費用も、捻出するのが難しくなる。
医者が、「この病気で死ぬ子より、フライドポテトを喉に詰まらせて死ぬ子のほうが多いんですよ?」
と無神経な言葉を投げつける・・・。
家族会の代表との対立も、複雑なものがあった。
悲しみをわかちあってつらいのは自分たち夫婦だけじゃないことを慰めあうのが目的の家族の会。
治療法を探そうと血眼の両親に、「息子さんは延命を望んでいるかしら?」と言い放つ会長。
だが---正直なところ、幼い子供が悶絶し絶叫する姿には、ああ、いっそ苦しむ時間を一日でも縮めてあげたい・・・生かしておきたいというのは、親のエゴと違うのだろうか・・・と、同じ年頃の子供を持つ私は辛くなってしまった・・・。
「我慢できなくなったら、イエスさまのところにいってもいいのよ・・・」と初めて母がもらすシーンには、いたたまれない気持ちになった。
だが---奇蹟ではなく、両親の壮絶な努力は実を結ぶ。病気の進行を食い止める「オイル」の開発に成功するのだ。そして、次なる両親の目標は、『回復』。病気によって破壊された組織ミエリンを、どう復活させるか・・・そこで映画は終わる。
そのとき、2年しか生きられないはずのロレンツォは12歳、つまり闘病6年目に入っていた。
やはり、気になるので、いろいろ調べてみた。
夫妻の設立した協会http://www.myelin.org/
(ミエリンの研究)英語サイトだが、
ここの、「About Lorenzo & his Parents」を
見ると、なんと、発症から20年後、成人しているロレンツォの写真がある。首を自力で動かせるようになり、意志の伝達はコンピュータを使って可能なように研究中のようだ。
2000年に、肺癌のため、ご母堂ミケーラさんは亡くなったそうだ。だが、父オドーネ氏はその後、医学に専念し、現在もミエリンの研究に没頭しておられるという。
他のサイトで調べたところ、現在では他の治療法もいろいろ開発中らしい。夫妻の熱意が、国や医療機関を動かしたということだ。
この「ロレンツォのオイル」の効果については、現在も国際的な調査・評価が行われている最中だということです。
[Lorenzo’s Oil]
1992年【米】 監督 :ジョージ・ミラー
男優 :ニック・ノルティ
:ピーター・ユスチノフ
女優 :スーザン・サランドン
脚本 :トニー・ピアース・ロバーツ
<ストーリー>
これが、実話だということに衝撃を受ける。
1980年代アメリカ。6歳の少年ロレンツォは、当時はごく稀な難病であったADL(副腎白質ジストロフィー)を発症する。それは、母親から男児にしか遺伝しない、特殊な遺伝病であった。アメリカでも、10年ほど前にやっと病名がついたばかりの不治の病・・・。通常は、壮絶に苦しみぬいたあげくに2年以内に100%死亡する、という恐ろしい病気だった。 両親は、医師にすがりつくが、治療法はないという。息子を救うため、両親の、想像を絶する看病と、治療法の開発のための勉強が始まった・・・。
<感想>
なによりも、両親の子供を思う、盲目的なまでに献身的な愛に言葉を失う。ハイソサエティな夫婦ではあったにしろ、普通の銀行マンと専業主婦だ。
図書館に通いつめ、医師も驚く推論を導き出し、
医師が動かなければ、自力で工場と交渉する。この執念の凄み。観ていて気迫に息が詰まるほどだたった。
そして、医療の現実の難しさ。親は、1%の確率でも、助かるかもしれないのならそれに賭けたい。
医療は、法律と結びついているため、「かもしれない」では動けないところもあるのが現実だ。
そして、採算の問題・・・。稀な難病であればあるほど、研究にさく時間も費用も、捻出するのが難しくなる。
医者が、「この病気で死ぬ子より、フライドポテトを喉に詰まらせて死ぬ子のほうが多いんですよ?」
と無神経な言葉を投げつける・・・。
家族会の代表との対立も、複雑なものがあった。
悲しみをわかちあってつらいのは自分たち夫婦だけじゃないことを慰めあうのが目的の家族の会。
治療法を探そうと血眼の両親に、「息子さんは延命を望んでいるかしら?」と言い放つ会長。
だが---正直なところ、幼い子供が悶絶し絶叫する姿には、ああ、いっそ苦しむ時間を一日でも縮めてあげたい・・・生かしておきたいというのは、親のエゴと違うのだろうか・・・と、同じ年頃の子供を持つ私は辛くなってしまった・・・。
「我慢できなくなったら、イエスさまのところにいってもいいのよ・・・」と初めて母がもらすシーンには、いたたまれない気持ちになった。
だが---奇蹟ではなく、両親の壮絶な努力は実を結ぶ。病気の進行を食い止める「オイル」の開発に成功するのだ。そして、次なる両親の目標は、『回復』。病気によって破壊された組織ミエリンを、どう復活させるか・・・そこで映画は終わる。
そのとき、2年しか生きられないはずのロレンツォは12歳、つまり闘病6年目に入っていた。
やはり、気になるので、いろいろ調べてみた。
夫妻の設立した協会http://www.myelin.org/
(ミエリンの研究)英語サイトだが、
ここの、「About Lorenzo & his Parents」を
見ると、なんと、発症から20年後、成人しているロレンツォの写真がある。首を自力で動かせるようになり、意志の伝達はコンピュータを使って可能なように研究中のようだ。
2000年に、肺癌のため、ご母堂ミケーラさんは亡くなったそうだ。だが、父オドーネ氏はその後、医学に専念し、現在もミエリンの研究に没頭しておられるという。
他のサイトで調べたところ、現在では他の治療法もいろいろ開発中らしい。夫妻の熱意が、国や医療機関を動かしたということだ。
この「ロレンツォのオイル」の効果については、現在も国際的な調査・評価が行われている最中だということです。
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