「髪結いの亭主」

2002年11月3日
『髪結いの亭主』
【le Mari de la Coiffeuse 】
1990 年 仏
監督: パトリス・ルコント
出演: ジャン・ロシュフォール
    アンナ・ガリエナ
    トマ・ロシュフォール

<ストーリー>
少年時代、セクシーな床屋の女性に憧れ通い詰めたアントワーヌは、大人になってもフェティッシュに
美しい髪結いを捜し求める。そしてついに、美しい乳房をもつ髪結いを経営する女性の夫となる。2人の狂おしいほどの恋と性愛を描く映像美の傑作。

<感想>
こういう、筋はあるようでないような、感覚的な映画、フランス特有ですね。監督の、女体に対する崇拝ともとれるほどの繊細なカメラワーク、脱帽です(笑) 乳首の見えない乳房を、これだけ官能的に描いた作品は、ないでしょう。
ラストの展開については、論争を呼んだようですが、女の側から見て、共感できる部分は十分にあります。あの2人の間にあるのは「愛」ではなく、「恋」であり、つまり、「いつかうつろい消えてしまうもの」なのです。彼女はそれが恐かった。

あえて言えば、アントワーヌの男性的魅力が、観客には伝わりづらいのでは・・・。
この現実感のなさ(一日中、妻の立ち働く姿を見ているだけのヒモ状態の夫)が、多くの観客に、「ラスト以外はすべて彼の妄想だったのでは・・・」と
思わせた所以かもしれません。

コメント

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

まだテーマがありません

日記内を検索