「ブロウ」
2002年11月15日『ブロウ』
【Blow】 2001年 米
監督 :テッド・デミ
原作:ブルース・ポーター『BLOW』
男優 :ジョニー・デップ
女優 :ペネロペ・クルス
<ストーリー>
1970年代にアメリカ裏社会に君臨した伝説の男ジョージ・ユングの半生記。
1950年代マサチューセッツ、ウェイスマス。
ジョージの父親は小さな会社を経営していたが、行き詰まり倒産。母親は何度も家出を繰り返す家庭だった。働きづめに働いて、結局貧乏生活。
ジョージは思った。こんな生活はイヤだ、金が欲しい、いい生活がしたい。
ジョージの麻薬密売人生は、カリフォルニアで始まる。折りしも、ヒッピー、ドロップ・アウト、フラワー・チルドレンーーカリフォルニア、60年代アメリカンライフの真っ只中である。マリファナ販売の総元締めを、スチュワーデスだった恋人に紹介してもらい、小売業からスタート、すぐに商売の才気が花開く。
70年代後半から80年代、ジョージの提供するコカインはバブル期のアメリカン・パーティ・ライフの必需品と化していく。金、名誉、権力、女、愛娘・・・文字通りジョージは全米の裏社会のキングにまで上り詰めたのである。“アメリカ”を手に入れた男ジョージ・ユング。しかし彼が本当に望むものは、家族に愛される静かな暮らしだった。
だが・・・人生という馬車の車輪は軋み、転落へと彼をいざなっていく・・・・・。
<感想>
この映画は、麻薬撲滅メッセージものでもなく、犯罪アクションでもない。
人生に「光」を求めてやまなかった男のがむしゃらな半生記だ。そして、描かれるのは、ひたすらに「親子の絆とは。」表向きの人生が華やかに輝くほど、ただの男としての人生は影を帯びてくる。アメリカン・ドリームの影にある不安感を明確に描き出しているのだ。
ユングと、彼の父。ユングと、彼の娘。切なく、やるせない愛の物語。
ブロウ(BLOW)とは、マリファナ、コカインなどドラッグ吸引を意味する俗語であり、人生の満開状態であり、また奈落への運命の一撃のことである。
ユングは、その全てを人生で味わった・・・。
「映画」としての見所として、音楽や服装があげられる。50年代から80年代までの異なった時期のファッション再現、そして、またアメリカのカルチャー気分の変遷をローリング・ストーンズ、ボブ・ディラン、レイナード・スキナード、ニッカ・コスタの曲と歌声が彩っている。
ジョニー・デップは、刑務所にユング本人を訪ね、
かなり研究したということだ。実在の人物の役がとても多い彼ならではの、コツのつかみ方があるのだろう。姿は確かにジョニー・デップなのに、まるで知らない俳優が演じているかのような錯覚さえ起こった。名演といえるだろう。
【Blow】 2001年 米
監督 :テッド・デミ
原作:ブルース・ポーター『BLOW』
男優 :ジョニー・デップ
女優 :ペネロペ・クルス
<ストーリー>
1970年代にアメリカ裏社会に君臨した伝説の男ジョージ・ユングの半生記。
1950年代マサチューセッツ、ウェイスマス。
ジョージの父親は小さな会社を経営していたが、行き詰まり倒産。母親は何度も家出を繰り返す家庭だった。働きづめに働いて、結局貧乏生活。
ジョージは思った。こんな生活はイヤだ、金が欲しい、いい生活がしたい。
ジョージの麻薬密売人生は、カリフォルニアで始まる。折りしも、ヒッピー、ドロップ・アウト、フラワー・チルドレンーーカリフォルニア、60年代アメリカンライフの真っ只中である。マリファナ販売の総元締めを、スチュワーデスだった恋人に紹介してもらい、小売業からスタート、すぐに商売の才気が花開く。
70年代後半から80年代、ジョージの提供するコカインはバブル期のアメリカン・パーティ・ライフの必需品と化していく。金、名誉、権力、女、愛娘・・・文字通りジョージは全米の裏社会のキングにまで上り詰めたのである。“アメリカ”を手に入れた男ジョージ・ユング。しかし彼が本当に望むものは、家族に愛される静かな暮らしだった。
だが・・・人生という馬車の車輪は軋み、転落へと彼をいざなっていく・・・・・。
<感想>
この映画は、麻薬撲滅メッセージものでもなく、犯罪アクションでもない。
人生に「光」を求めてやまなかった男のがむしゃらな半生記だ。そして、描かれるのは、ひたすらに「親子の絆とは。」表向きの人生が華やかに輝くほど、ただの男としての人生は影を帯びてくる。アメリカン・ドリームの影にある不安感を明確に描き出しているのだ。
ユングと、彼の父。ユングと、彼の娘。切なく、やるせない愛の物語。
ブロウ(BLOW)とは、マリファナ、コカインなどドラッグ吸引を意味する俗語であり、人生の満開状態であり、また奈落への運命の一撃のことである。
ユングは、その全てを人生で味わった・・・。
「映画」としての見所として、音楽や服装があげられる。50年代から80年代までの異なった時期のファッション再現、そして、またアメリカのカルチャー気分の変遷をローリング・ストーンズ、ボブ・ディラン、レイナード・スキナード、ニッカ・コスタの曲と歌声が彩っている。
ジョニー・デップは、刑務所にユング本人を訪ね、
かなり研究したということだ。実在の人物の役がとても多い彼ならではの、コツのつかみ方があるのだろう。姿は確かにジョニー・デップなのに、まるで知らない俳優が演じているかのような錯覚さえ起こった。名演といえるだろう。
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