『ブリジット・ジョーンズの日記』【Bridget Jones’s Diary】2001年・米
監督:シャロン・マグワイア
原作:ヘレン・フィールディング
脚本:ヘレン・フィールディング/アンドリュー・デイヴィス/リチャード・カーティス
音楽:パトリック・ドイル

俳優:レニー・ゼルウィガー(ブリジット)
   コリン・ファース(マーク)
   ヒュ−・グラント(ダニエル)
   
<ストーリー>
ブリジット・ジョーンズは32歳、ロンドンのアパートで独り暮らし、出版社勤務のキャリアウーマン(ヒラ社員だけど)。今年の元旦もまた、二日酔い、で独身のまま目覚めてしまった。夜、実家で開かれた毎年恒例の新年パーティでは、「恋人は?」「結婚は?」と失礼な質問責めにウンザリ。今年ママが招待した“お見合い相手”は、幼馴染みだったらしい、バツイチの弁護士マーク。ちょっぴりハンサムなマークに一瞬ドキっとするも、ヘンテコなセーターだし、お堅くてエラソーだし、ズケズケモノを言うし、いけすかないったらありゃしない。ガックリしてロンドンの自宅に戻ったブリジットは新年の決意を固める。
「日記をつけ、体重とお酒とたばこを減らし、すてきな恋人を見つけよう!一人の男にのめりこまないようにしよう!」
ところが、決意もモロく、ブリジットはセクシーな上司ダニエルにくびったけに・・・・・
大丈夫なのか!?ブリジット!

<感想>
ロンドンに暮らす30代独身女性のあけすけな本音を語ってベストセラーになったヘレン・フィールディングの小説の映画化。女性が観たら、年齢やパートナーの有無に関係なく共感を覚ること間違いなし!
ムダ毛の処理シーンやら、勝負ぱんつ(=スケスケセクシーぱんてぃ)にするか、そこまでコトを運ぶために体型補正下着(=ベージュのでかぱんつ)にするか迷うシーンやら、本人はいたって真剣そのもの、もう爆笑である。思わず画面に向かって、親友にでも言うように、「シャワーを浴びてから勝負パンツにはきかえれば?」とアドバイスしたくなってしまう(笑)
ぽちゃぽちゃ体型で、パーティドレスの背中に贅肉がのっかってるブリジット、自宅じゃ散らかった部屋でダサダサなパジャマを着て酒瓶をマイクに“30代のためのFM”に合わせてダミ声で歌っちゃうブリジット。でも、ヤケになってムッツリ引きこもって幸せな未来を諦めたりなんかしない、前向きで頑張りやさんのブリジット。でも、ダイエットも節煙も節酒も成功しないブリジット。
そんなお茶目なブリジットを、応援したくならない女性はいないだろう。
彼女が惚れたり惚れられたりする男2人は、とてもわかりやすい
「両極端」なタイプ。物腰優雅で金持ちでSEX上手、イイ男だが女ったらしのロクデナシ野郎と、育ちがよく誠実でエリート、夫にするには良さそうだが、ジョークも通じない仏頂面男。
この2人があまりにステレオタイプなところが、コメディーの要素を高めているのだ。
一筋縄ではいかない恋の行方、なかなかハラハラさせてくれる。
97分、めいっぱい楽しませて和ませてくれる映画だ。

「ベティ・サイズモア」でコメディの女王に輝いたレニー、今回も
大真面目さが可笑しみを誘う、まさに適役。だが、相当な役作りの努力があったようだ。イギリス英語をマスターし、ポッチャリ体型にするため、運動をやめジャンクフードを食べて6kg増やし、さらに素性を隠して2週間、ロンドンの出版社でヒラ社員として働いてお茶くみ、コピーに励んだそうだ。ブリジットがバリバリのキャリアウーマンではないところがこれだけの共感を呼んだに違いない。そこそこの中流家庭に育って、そこそこの大学の文学部も出て、まぁまぁの企業でOL生活。泣けてくるほどのリアリティだ。
寂しいシングルトンの心に染みる゛名曲”ずくめの音楽も、お見事♪

確かに、結婚が人生のすべてじゃないし、ピンク色の日々は何十年も続かないものだ。映画の中でも、ブリジットのママは、平凡な家庭生活に辟易して家出してしまう。だけど、火遊びに飽きたら戻ってきてしまう。「帰れるところ」Homeを求めるのは、男女に関係なく、人間の性だろう。喜びだけではなくて、苦しみも分かち合う相手、それが「伴侶」なのだと、ブリジットの老いた両親の姿から彼女は学ぶのだ。

★名ゼリフ
「ありのままの君が好きだ。」
I like the way you are.

ブリジットも、ブリジットが最後に選んだ男も、loveではなく
l like you,very much. と言う。たくさんのlikeを積み重ねて、loveに育ててゆけるだろう、と微笑ましいセリフだった。

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