『素晴らしき哉、人生!』【It’s A Wonderful Life】1946年・米
監督:フランク・キャプラ
音楽:ディミトリ・ディオムキン

俳優:ジェームズ・スチュワート(ジョージ)
   ドナ・リード(メアリー)
   ヘンリー・トラヴァース(天使クレランス)
ライオネル・バリーモア(ポッター)
トーマス・ミッチェル(ビリー叔父さん)
H.B.ワーナー(ガウワー老人)
リリアン・ランドルフ(アニー)
ボビー・アンダーソン(少年時代のジョージ)
フランク・アルバートソン(サム)
   
<ストーリー>
小さな街を出て世界をまわり建築家になりたいという大きな夢を
持っていたジョージ。高校卒業後、何年もかけて学資をアルバイトで稼ぎ、やっと大学へ行く夢がかなう。弟ハリーにつきあい、高校卒業記念ダンスパーティに参加し気分は最高のジョージだったが、その晩、敬愛する父が急死してしまう。さまざまな事情から大学の学資を弟に譲り、自分は夢を諦め、街の権力者ポッターの圧力がのしかかる、父の住宅ローン会社を止む無く引き継ぐことに。
弟が大学を卒業したら、社長業は弟に任せて、今度こそ自分が大学に、と願っていたが、なんと卒業した弟は妻を連れて帰宅、妻の実家の会社に雇われていた。建築家になる夢は潰えた・・・。

しかし、ジョージは才色兼備の素晴らしい妻、メアリーと結婚し、4人の子供に恵まれ、貧しいながらも心豊かな人生を送っていた。貧しい人々に、一家の主になる夢を実現させる、「住宅ローン」会社は、権力者ポッターに法外な家賃を搾りとられる借家で苦しんでいた街の人々に生きる喜びを与え、ジョージは皆に愛される存在と
なっていた。
第二次世界大戦が始まる。徴兵を、耳の障害ゆえに免れたジョージは、街を牛耳るポッターの嫌がらせと闘いつづけ、父の会社と人々の夢を守っていた。

その年のクリスマスイブ。懸命に前向きに生きてきたジョージを、命を絶とうとするまでに苦悩させる事件が起きる・・・!

物語は、天界での神と、294才でもまだ羽がもらえない二級天使のクラレンスとの会話から始まる。クリスマスイブの夜、人間界でたくさんの人間が、「ジョージをお助けください。」「夫を助けて」「もう一度パパに逢わせて」と1人の男の救済を悲痛なまでに祈る声を耳にした神が、クラレンスにジョージを救う使命を与えるのだ。成功したら、羽をやるぞ、と約束して--。

事件とは何なのか?ダメ天使クラレンスはジョージを救えるのか?

<感想>
実に素晴らしい!まさに、アメリカの良心そのもの。アメリカで
は、毎年クリスマスの夜にTV放映されるというから、日本でいえば赤穂浪士討ち入り記念日に必ず「忠臣蔵」を放送するような感じなのだろう。それほど、時代を超えて愛される物語だということだ。
クリスマスイブにジョージの身に起きたことのうち、天使が彼のもとにやってきたこと、それは確かに奇跡であり、ミラクルなのだが、結局、最後に彼を救うのは、ジョージ自身であり、ジョージが
生まれてこの方行い続けてきた「愛と正義に満ちた行動の結果」
であり、それは決して゛偶然・奇跡”ではない。そこが、この物語の語り継がれ、愛される所以であろう。
天使のかける魔法が、安直、短絡的に一時凌ぎでジョージを救う
ものであれば、この映画の価値はないも同然だ。
クラレンスがジョージにかけた魔法は、ジョージが寿命をまっとうするまで、「生きる喜び」「この世に生れた意味」を忘れないようにしてくれる、素晴らしいものだ。何度、この先ジョージが困難にぶつかっても、もう二度と、彼は挫けはしないだろう。そして、
この映画を観た、我々も・・・・。

★名ゼリフ
ジョージ「どうして俺なんかと結婚したんだ? 他にも男はいっぱいいたのに。」
メアリー「他の男じゃ、あなたに似た子供は生まれないわ。」

クラレンス「1人が世界に及ぼす影響は大きいんだ。1人いないだけで、世界はこうも変わってしまう。」


「友ある者は、敗残者ではない。」

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