E.T. 20周年アニバーサリー特別版
【THE EXTRA-TERRESTRAIL THE 20th ANNIVERSARY】2002年・米
監督:スティーブン・スピルバーグ
脚本:メリッサ・マシスン
音楽:ジョン・ウィリアムス
E.T.の創作:カルロ・ランバルディ
視覚効果スーパーバイザー:ビル・ジョージ

俳優:ヘンリー・トーマス (エリオット)
   ロバート・マクノートン(兄)
   ドリュー・バリモア(妹)
   ディー・ウォーレス(母)
   ピーター・コヨーテ (科学者キース) 

<ストーリー>
星の美しいある夜。森の囲まれた草原の空き地に、大きく不思議な形の宇宙船が着陸した。ハッチが開き、姿を現したのは宇宙人たち。ところが、科学者たちが宇宙船の捜索に駆けつけ、母船は、1人の仲間をとり残したまま急いで飛び去ってしまう。そして、10歳の少年エリオットと、その兄と妹たちに遭遇した宇宙人"E.T.”(エリオットが名づけた。EXTRA-TERRESTRAILの略、地球外生物)は、彼らにかくまわれ親しくなり、父と離れて傷ついている子供たちの心も癒していくが、やはり故郷の星が恋しい。
そんなE.T.の孤独を理解した子供たちは、なんとかして宇宙に還してやろうと考える。だが、追っ手は彼らの自宅に迫っていた・・・・・。

<感想>
1982年に初公開されてから20年経ち、監督が、手直ししたい部分があったことと、当時この映画の見た子供たちが親になっていることから、世代を超えて語り継がれる作品でありたい、と強く望んだことから、この企画が実現した。いくつかのシーンを足し、修正し、DTSサウンドによって臨場感あふれる音響となり、E.T.の顔にデジタル処理をほどこし、表情がさらに繊細に、愛らしくなっている。監督がもっともこだわったのは、20年前、ラストのチェイシングシーンで、警官や政府関係者に持たせていた拳銃を、画像をおじることでトランシーバーに持ち返させたという点だそうだ。
確かに、敵意のない子供たちに向かって銃をかまえて追いかけるというのはいただけない。

私も20年前は小学生だった。ちょうど、エリオットと同じ年頃。
今でもあのドキドキは忘れていない。今日、6才と7才になっている自分の子供たちと一緒に観て、同じ感動に彼らと涙し、いいひと時をもたせてもらった。

「どうして宇宙から来たっていうだけで、あんな怖そうな人達に追いかけられたり、いじめられたりするの?」子供たちの率直な疑問を、幼い頃、スピルバーグ監督ももったという。
「異なる者」への偏見からくる恐怖心や好奇心が、相手を尊重すべきだという考えを吹き飛ばしてしまう、人間という弱い生き物の現実。

あれから20年が経ち、世界はますます混乱し、傷つけあっている。だからこそ、普遍のテーマを、もう一度、取り上げたかったのだろう。人種の違いを超えた平和と、共存への道を探ることを。

EXTRA-TERRESTRAIL。なかなか含みのある言葉のように思う。
TERRESTRAILは、「地球上の生物」EXTRAには、「〜以外の・余剰の」という元の意味のほかに、「特別な」という含みも持つ。
「エイリアン」とはまったく響の異なる、相手への親しみと敬愛を感じる言葉だ。


「イツモ ココニ イルヨ」
触れ合えなくても、ずっと心の中に。

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